川原繁人:現象的には、「語頭の[z]が[d]として発音される」ということですね。前提として、[z]は有声摩擦音で、[d]は有声破裂音(有声閉鎖音)で、かなり近しい音です。近しい音同士が交代することはよくあることです。また、語頭という位置は特に口の中の締めが強くなる位置でもあります。ですから、摩擦(口がほとんど閉じているが、摩擦を起こすぶんだけ空いている)が閉鎖(完全に閉じてしまう)に変化するのは非常に理にかなっています。 私個人としては「語頭の摩擦音が閉鎖しちゃうんだよね〜」と堂々と和歌山方言を大事にして欲しいと思います。どうしても気になってしまうのであれば、語頭でしっかり舌を使って口を完全に閉じる意識を持ってみてはいかがでしょう?(Read more)