越智 徹:私のわかる範囲から回答します。
かれこれ20年近く大学で教えていますが、自分で担当した授業や親しい同僚の担当した授業での評判を見ると、やはり学生のニーズに応えられる授業が人気が高くなります。ここで「学生のニーズ」は何かというと、
* 難しいがその分野では必須の内容であり、これを学ぶことで飛躍的にレベルアップできる
* その分野での歴史的経緯を知ることができ、自分にとって過去のものだったことをより身近に感じられる
* ちょうど旬のものを扱っており、なぜ今こういう技術が必要なのか、今起こっていることの原因は何か、などを知ることができる
このあたりになります。なお、あくまで私が理解している範囲です。
私は長年情報倫理系の授業を担当していますが、ネットワークの技術や、SNSでのコミュニケーションの変遷について教え、自分の考えを議論させています。そこで、ダイヤルアップ接続の時代はどのようなものだったか、など私にとっては経験してきたことですが、今の学生にとっては遠い過去のことを丁寧に教え、同時に今のSNSについても技術的背景や今起こっていることを教示し、考えさせています。これによって、学生は過去のことが身近に感じられ、また特に意識していなかったことも考えるきっかけになり、「この授業を取ってよかった」と思ってくれるようです。学生の満足度調査では、良い結果をいただいています。