鵜山太智:太陽をどこでみるかで話は変わってきます。もちろん地上から肉眼で太陽をみると非常に眩しく、見続けていれば目に影響が出るので、もし観察するのであれば遮光板や観察用フィルターなどを利用してください。
天体望遠鏡に関しても同じなのですが、天体望遠鏡はいくつか種類がありまして、自分で覗いて観測するものもあれば、検出器を取り付けてデータを取得して観測するというものもあります。自分で覗いて観測するものはやはり目を守らないといけないです、決して太陽を直接見てはいけません。宇宙空間から太陽を見ると言っても、結局地球の近くから太陽を見ようとすれば同じです。
ただもし太陽から非常に遠ざかることができたとすると、肉眼で見ても問題なくなるでしょう。夜空を眺めて見える星々も、ほとんどが太陽と同じような恒星です。こちらは肉眼で見ても全く問題ないですし、むしろ暗闇に目を慣らさないと見えないような暗い星もたくさんありますね。当然と言えば当然ですが、明るさ(観測者からの距離)を間違わなければきちんと観測することができます。
ちなみに検出器からデータを取得するようなものであれば太陽の観測は可能です。ただ他の星と違って太陽は明るすぎるため、研究者が専用の観測装置を作成しているのが大半かなと思います。ちょっと話はずれるのですが、小柴昌俊先生がノーベル賞受賞のきっかけとなったカミオカンデという装置(現在スーパーカミオカンデ)が岐阜県の地下1000mに埋められています。この装置、全くもって天体望遠鏡の形をしていませんし空を見上げることもしませんが、太陽から出たニュートリノの検出に成功しています。イメージする望遠鏡とは全く異なるものなのですが、それでも太陽の研究が可能というのは面白いですね。