Keisuke Fujii:量子コンピュータのどこの部分を理解したいのかというところによってアプローチは変わってくるかなと思います。我々が現在使っているコンピュータを知っているという人が半導体の物理やトランジスタに仕組み、CPUの構成、など全てを知っているわけではないと思います。一方で、量子コンピュータがあったらこんなことができる、ということがまだ明確になってなかったり、量子コンピュータが得意とする問題自体の理解が難しかったりするところも手の付け所が難しい点ですね。量子コンピュータの仕組み(情報の扱い方)をとことん理解したいという場合でも意外と難しい数学はそんなに使いません。二進数、ベクトル、行列(現在高校では習わないでしょうか)、複素数、が理解できていれば十分理解できます。あとは、量子力学は身の回りに似た現象が無いのでそういうものかと受け入れることも重要ですね。例えば、クラウドで提供されている量子コンピュータを動かしてみて、ベクトルや行列を手で計算したものと量子コンピュータからの出力が同じになることを確認できると、納得できるかもしれません。動作原理から理解、その上でどのように量子アルゴリズムが構成されているかを理解するまでは飛躍がありますね。量子コンピュータを使ったあっと驚くようなアプリケーションが登場すれば、そういうところは気にならない時代になると思います。