むぎSE:どの現場でも起き得ることです。結論から言うと転職はせず、問題にぶつかって行った方が良いです。質問内容からたくさん苛立ちが伝わってきますね。それだけ質問者さんは真面目で真摯に取り組んでいるのでしょう。ただ、少しだけ感情が先走っているような印象を受けますので、事実や問題点を冷静に注視してみましょう。 ■PLの問題行動を整理してみましょう 質問内容から、PLが行っている言動を抜き出してみました。 ① 要件定義で決定できなかったものを後工程の宿題にして決めようとしない。 ② 顧客に正しく説明できていない。勝手に方針を決めたことにしている。 ③ 「今後どうにかする」「費用がないから仕方ない」と発言している。 ④ PLに技術力がないのは明らかである。 ⑤ 提案について聞く耳を持ってくれない。 これらを順に解説してみます。（少し想像入ります。） ① 要件定義で決定できなかったものを後工程の宿題にして決めようとしない。 これは別に、PLが絶対間違っているとは言えません。要件定義の工程は期限を決められていますが、期限までに決まらないものもありますし、深掘りすると新しい要件が見えたりすることがあります。その場合は、未確定の課題として次工程以降に協議していくことがよくあります。その為、単純にPLが間違っているとは言えません。 ② 顧客に正しく説明できていない。勝手に方針を決めたことにしている。 これはPLがあまりよくありません。将来起きえるリスクとして、リリース後に顧客からクレームが出てきたり、最悪、損害賠償に発展することがあります。そのため、事前にリスクの芽は摘んでおくべきです。その場では伝わらなかった場合、別途打ち合わせなどを設定して、正しく理解してもらう必要があるでしょう。 ③「今後どうにかする」「費用がないから仕方ない」と発言している。 これもPLがあまりよくありません。でも質問者さんが知らないだけかもしれません。未確定の課題をいつまでに誰がいくらで行うかは、通常、PLが判断するものではないからです。予算の管理はPMやプロジェクトオーナーが実施します。どの要件を実装するか、どういう優先順位で行うかは、顧客と相談の上でPMが決めます。もし、PLが独断で決めているのであれば正しい進め方ではない為、上記②のような問題が起きえる可能性があります。ただし、PMとPLが相談した上で判断した内容である可能性もあります。質問者さんがプロジェクト全体やメンバー間の事情を把握していないのであれば、注意してください。質問者さんの方が計画やチームを乱しているだけになってしまいます。 ④ PLに技術力がないのは明らかである。 これは質問者さんがよくありません。あくまで感情的な不満による発言だと思いますが、PLは質問者さんよりも上の立場にアサインされていることや、質問者さんの見えない範囲で周囲から認められている可能性があるからです。ということで、一旦、PLの技術力は置いておいて、質問者さんが常々考えていらっしゃる「何が不足していて、何が問題なのか」という視点を通してください。事実だけを語った方が説得力が出るし、筋が通っているなら皆が声を傾けるようになると思います。感情的な話や不満がノイズとして入ってしまうと、論理性が失われ説得力がなくなってしまうので、SNSでは不満解消で良いですが、現場では慎みましょう。 ⑤ 提案について聞く耳を持ってくれない。 これは良い悪いの判断が難しいです。提案は、非常に難易度が高く、そのプロジェクトの抱えるリソースやそこで働いているメンバーや顧客などを把握した上で、無理なく改善できる方法に置き換えることを求められます。お金や時間や人などの問題を加味すると、提案内容の実現が難しいと判断されたら、それはPL以外の人も提案を拒むと思います。そのため、提案を通すには、ステークホルダーがすぐに受け入れられる内容をもって行くしかないでしょう。ただし、中には現状を変えるのが嫌で全く提案を聞かない人もいます。そういう時は、さらに上のPMや上司に相談という形で話を聞いてみるのも良いでしょう。第三者の声を聞くと、客観的な視点で自分の提案を見る良いきっかけになると思います。 ■じゃあ、どうするかの話 一つ目、提案ではなくリスクや問題点の共有に努めると良いと思います。 繰り返しになりますが、提案は難易度が高く、また内容によっては採択されませんし、論点がブレやすいです。リスクや問題点というのは、提案と違って人によって大きく内容が変わるものではないです。その為、事実ベースで議論することをお勧めします。今回の例でいうと、顧客やプロジェクトにおけるリスクと、それが起こす影響を一覧に書き出すことからスタートしましょう。提案を出す前段階の情報をきちんと管理することをやってみてください。 それをPMやPLに伝え、リスクを認識してもらった後で、チーム全体で対応方針を決めていけば、ステークホルダーで合意の取れた内容になると思います。問題やリスクに着目すれば、PLという人に目が向かず、今できていない事について話ができるため、人間関係がこじれることもありません。（PLができていないから……という言い方はダメですよ。） 二つ目、PLの立場を奪ってしまいましょう。 チームメンバー全体で、仕事が完遂できればいいので、PLに不足していると思う部分を積極的に支援してしまいましょう。プロジェクトの為になることは、自ら行動してしまいましょう。別にそれでうまく回るのであれば、誰も文句は言わないと思います。そうすると質問者さんがPLになれる可能性も出てきます。プロジェクトとして実力者が増えることは喜ばしいことでしょう。 ■さいごに 質問者さんが仰っている「私も同様に評価されてしまう」というセリフなども踏まえると、他人から自分がどう思われているかを気にしているフシがあります。でも、上司などの評価者からそういう発言があったのでしょうか？ 上記も含めて、質問者さんは、確証の得られないことを深く考えすぎない方が良いと思うんですよね。何かあった時に胸を張って、「私はやれるべきことをやってました！」と言えれば良いだけなんです。それで変なことを言われたら、自分がちゃんとやってきた事実を出して、堂々と健全さを訴えれば良いと思います。 真面目で真摯に向き合っている方であるからこそ、論理的な発言やプロセスから逸脱せずに、堂々と我を貫き通してください。 以上です。頑張ってください。