月夜野:専門家の方の回答が付いたらそちらを参考にして下さい。
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病気の遺伝子が増えるわけではないはずです。
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遺伝病で潜性遺伝(以前は劣性遺伝と言われていました)のものに関しては2つで1対になっている染色体の両方に遺伝病の因子がなければ発症しません。
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近親交配の場合、この遺伝病の因子が揃ってしまう確率が普通より遙かに高いです。
先祖が同じなら同じ遺伝子を持っている可能性は赤の他人が偶然同じ因子を持っている可能性より高いのは当然ですね。
同じ遺伝子を受け継いでいるわけですから。
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メンデルの遺伝の法則は基本中の基本なのでご存じかもしれませんが。
正常な染色体をA、遺伝病の因子がある染色体をaとします。
片親がAA、もう一方がAa、つまり片親が表面的には病気ではないけれど因子は持っているケースです。
aが潜性遺伝であればaaにならない限り発症しません。
この例だと生まれてくる子供は
AA、Aa、AA、Aa
のいずれかです。
少し分かりづらいのですが、要は2分の1の確率で子供はAaと言う事です。
子供からその子供、つまり孫にaが伝わる確率は4分の1になります。
孫からその子供へ伝わる確率は8分の1です。
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ここで最初の夫婦(AAとAa)に子供が二人以上できたとして、その子供の子供、つまり孫の世代が従兄弟同士で結婚したとします。
夫婦がどちらもAaである確率は8分の1ずつあります。
夫婦揃って祖父母の代の遺伝病の因子を受け継いでいた場合(つまりAaとAa)、生まれる子供は
AA,Aa,Aa,aa
のいずれかなので4分の1の確率で発症してしまいます。
こういう血縁関係の近さを近交係数と言います。
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これが赤の他人同士の場合、偶然同じ因子を持っている確率は数万分の1だそうです。
遺伝する病気というのは1つだけではありません。
たくさんの遺伝病があり潜性遺伝のものも多いです。
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祖父が、ある遺伝子はAAと正常でも別の遺伝子はBbと違う遺伝病の因子を持っているかもしれません(AABb)。
この場合、祖母がAaBBだとAABbとAaBBの組み合わせという事になります。
曾孫の代でaはAaで発症しなかったとしてもbbになってしまうかもしれないわけですし、これはc、d、eなど他のたくさんの遺伝病で同じ事が言えます。
先祖が共通なら遺伝病の因子が揃う確率が高くなるので病気が発症しやすくなるということです。