宮野公樹:ご質問、ならびに拙書をお読みただきありがとうございます。福沢は学問という言葉を、自立や独立のために必要な「学び」という意味合いで使用していたと思います。その点において、私のいうところの「学問」とはたしかにすこし異なっているように思いますね。ただ、この「学問のすすめ」はどこかの学校での初学者、入門者むけの講義(講演?)のために作られたものだったそうで、そういう意味では「学問のすすめ」というタイトルにて、今日で言うところの啓蒙書、ビジネス書的な内容を伝えたのは理解できます。さて、では福沢本人が「学問そのもの」をどうとらえていたかは、福沢の他の文献など調べたらわかるのかもしれませんし、関連する先行研究があるのかもしれませんが、私は把握しておりませんで恐縮です。失礼いたします。