Masazumi Honda:素朴に(古典的な直観で)電子が原子核に"落下"するというわけではありませんが、電子捕獲という現象が起きることがあり、これにより陽子+電子が中性子+ニュートリノになることはあります。
電子捕獲が起きないような場合でも、量子力学の範囲内で原子核が作るポテンシャル中で電子がある位置にいる確率を計算すると、原子核付近にいる確率も少しありますが、基本的に原子核から少し離れたあたり(~原子軌道)にピークを持ちます。これが身の回りの安定な原子で起きていることで、素朴に電子が原子核に”落下”しそうという感じとはかなり異なります。
(技術的になりますが、例えば水素原子の基底状態の場合、波動関数は陽子の位置にピークを持っていますが、極座標で陽子からある距離だけ離れた確率を計算すると直交座標→極座標のヤコビアンからの寄与で確率のピークの位置が波動関数のピークの位置からずれます)
2つ目の質問については、陽子の間に電磁気的な斥力があるのは正しいですが、他の力(~核力)からの寄与も考えると、電磁気的な斥力に勝って反発しないようになっています。