菅野 由弘:「どの子も可愛い」という感覚に似ていると思います。自分に子供が沢山いたとして、の話ですが、当然皆違っている筈です。双子だって、見た目はそっくりでも、性格は違います。でも「どの子も可愛い」のです。この仕事を50年近く続けているので「制作時と現在で趣味嗜好や主張が変わってきた」部分はあります。が、大転換を果たした所があるとしても、それは、元々の「根っこ」の上にあって変化したもので、根っこから切り離したら、死んでしまうと思います。元があってこその変化、違った部分、変わった部分も全て宝物、と思っています。