私は後悔するのが嫌いなので、あなたの「後悔を最小化したい」というお気持ちは非常によくわかります。私は判断するときに、「後悔を減らすにはどうしたらいいだろう」とよく考えます。
あなたのご質問を読んだときに最初に感じたのは「現状に留まるか否か」という選択肢を立てるのは果たして適切だろうか、ということでした。「現状に留まるか否か」というのは、自分の行動に対するいわば最後の判断であって、本当に大事な考えるべきポイントは、それ以前にあると感じたのです。
自分はこのような生活をしたい。こんなふうに生きていきたい。こういうものを手に入れたい。自分の環境をこのように変えていきたい。そういう願いが前段階にあって、その上で、その願いを実現する手段として「現状に留まるか否か」を選ぶのではないでしょうか。
これは、へんな理屈を振り回しているわけではありません。「現状に留まるか否か」だけを見ていては十分に考えることができないし、適切な判断ができないし、その結果として後悔することになる可能性が高まると思うのです。
あなたが判断しようとしている「現状に留まるか否か」がどういう種類のものなのかがわからないので何ともいえませんが、たとえば「転職」だと仮定します。その場合には、自分の将来をどのようなものにしたいかを考えることが大事だと思います。給料をアップさせたい、負荷が少ない仕事にしたい、時間の自由がきくようにしたい、自分の能力を試してみたい。そのような願いがあって、その願いを実現できるかどうかで判断をくだすことになるでしょう。
「理屈はそうかもしれないが、どうしても、留まる・留まらないだけを考えてしまう」としたならば、狭い範囲で考えすぎている状態の可能性もあります。「視野狭窄」とでもいうのでしょうか。
論理的に結論が出せないもの、不確定な要因が多いものに関しては、あれこれ考えているうちに「視野狭窄」におちいることはよくあります。誰でもそうです。明確に結論が出ないため、ぐるぐる考えてしまうのです。
また、あなたにとって「減らしたい後悔」とはどういうものかを考えるのも実は大事です。たとえば以前気付いたことですが、私にとっては「失敗」と「後悔」とは違うものです。何かの判断をして、うまくいかなかったとしても後悔するときとしないときがあります。あなたはいかがでしょうか。「視野狭窄」に陥ってしまうと、そういう省察も難しくなりますので、時間をとってゆっくり考えてみるのがいいと思います。
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なお、あなたのご質問からはすこし外れますが、どうしたら後悔を減らせるかについては文章を書いたことがあります。もしご興味があればどうぞ。