伊藤隆太:ご質問、ありがとうございます。歴史を議論した私の単著研究書の四冊目はもう少し時間がかかりそうですので、まだ時期は確定しておりません。お楽しみにしていただいているにもかかわらず、遅くなって申し訳ございません。実はそれとは別にプロジェクトを抱えており、来年の初頭には進化政治学の論文集が出版されます。この論文集では、前半部で「進化政治学の方法論的基盤と理論モデル」、「進化論がもたらす社会科学のパラダイムシフト」等、進化政治学や進化論にかかわる理論・方法論的知見を議論します。後半部では進化政治学に基づいたリアリストモデルに依拠して、事例研究・政策研究を行います。「過信と怒りの衝動の相克―カンボジア紛争をめぐるヴェトナムASEAN―」、「進化政治学の観点から見るインパール作戦の一考察―なぜ非合理な作戦は遂行されたのか―」「進化政治学的知見に基づく中国の対外行動の分析」など、歴史・外交史あるいは現代国際政治の重要な現象を議論いたします。楽しみにしていただければ嬉しく存じます。何卒よろしくお願いいたします。