まこ:昔話題になったヒット作ですが、『夢を叶えるゾウ』シリーズはとてもおすすめです。この本の主人公たちは、さえないサラリーマンや全く売れる気配のない芸人など、社会で実際にみたことはないけれどもいかにもいそうな人たち、そして自分と境遇は違っても考え方や行動様式などに当てはまるところが少なからずあるような人たちとして設定されています。
主人公たちは絶望こそしていないものの、自分たちの人生をあきらめているような人たちです。そこに、ガネーシャという神を名乗る謎の生物が現れ、偉大な哲学者や作家、学者の言葉を当意即妙に教えてくれるのです。ガネーシャの語り口は軽妙な大阪弁で、軽い気持ちで読めるのですが、その言葉の真髄は計り知れなく深いものが感じられます。
話の構成もしっかりとストーリー性を持っており、主人公たちはいつのまにか自分の行動で自分の人生を変えていける、主体性をもった人間になっていきます。
本の巻末には格言や偉人たちの背景事情が書いてあり、そこを読むのもまた面白いです。