青木俊明:人生どん底と思ってしまうような場合,私の場合,シリアスな本よりは,回復に向けた努力が記されたものを読みたくなります.これは,シリアスな本を読み,その状況に共感してしまうと,気持ちがより落ち込んでしまうので,それを避けるためです.したがって,落ち込んだときは,あまり考えずに読める本を読みます.そういった視点から選んだとき,次の2冊はお勧めできます.
1:おおいみつる 著:ヨーガに生きる: 中村天風とカリアッパ師の歩み (中村天風伝)
2:紙屋 まさみ 著:「本気の扉」を開けば、なりたい自分になれる
この2冊は,生死の渕から戻り,気持ちを前向きに入れ替えることで,人生を好転させた
経験を綴った内容です.二人ともヨガを習得された方ですが,ヨガの習得が重要なのではなく,
「人間万事塞翁が馬であり,視点を変え,前向きな気持ちになれば,人生好転しうる」
ということが重要だと思います.中村天風 氏は松下幸之助氏や稲盛和夫氏が影響を
受けた人物だと言われております.その人生はかなり劇的であり,"心の弱まり"はその後の彼の生き方を方向付けるのですが,心が弱まった状態には多くの人が共感できると思います.
さて,いまは”人生どん底”と感じておられるのかもしれませんが,今後の展開は誰も
分かりません.そのどん底であるがゆえに知り合えた方が,あなたの人生を大きく
好転させる可能性も十分にあります.辛い現状かもしれませんが,そこでうつむいて
座っていても,何も変わりません.これ以下の状況はないわけですから,気持ちが
落ち着いたら,目標とする方向を定め,思い切って一歩を踏み出してみても
良いのではないでしょうか.夜明け前がもっとも暗いと言いますから,明るい未来は
思った以上に近くにあり,あなたの一歩を待っているのかもしれません.