George:教師になる気はそれほどなく、でもとりあえず教職を取っていた人が、教育実習の経験が忘れられなくて、教師なろうかどうか悩む、という事例は毎年あります。 こういうケースの場合、学生には次の二点について話をするようにしています。 ①今回は短期間の体験だったけど、それが毎日の仕事になったときに教育実習で感じたような気持と同じような気持ちを保てるか。 ②今回は周りの先生や生徒に恵まれたかもしれないけれど、そうではない環境に置かれても教師という仕事に魅力を感じられると思うか。 運動でもアルバイトでもそうですけど、私たちは期間が決まっているから楽しいということが往々にしてあります。でも例えば運動が部活になったり、アルバイトが仕事になったりするとその楽しさが見いだせなくなっていしまうことも少なくありません。なぜならそれらが日常になってしまうからです。 また、今回はたまたま良い学校に教育実習に行ったと思いますが、仮に教師になったとしたら、着任する学校は選べません。もしかしたらとんでもない上司や同僚がいるかもしれないし、生徒が荒れていることだってあると思います。それでも教師という仕事自体に魅力を見いだせることができるでしょうか。 もちろん、①はやってみなければわからないわけですし、②はそもそもコントロールできないことなのだから考えてもしょうがないわけですが、現在は、たまたま出会ってしまった魅力的な人に恋をしているような状態なわけなので、もう少し時間がたった時に、①②のことを考えてみて、それでもまだ教師になることを捨てきれないのであれば、トライするのが良いと思います。