津田賢一 (Kenichi Tsuda):1.現在の所属大学を選んだ理由
2.修士時代から各国を渡り歩こうという計画があったか
3.日米独中の研究機関の特徴・優位性について
それぞれについて答えていこうと思います。
1.日本人研究者のためのグローバルプラットフォーム United Japanese researchers Around the world
(UJA)から依頼されてnoteに詳しく書いたことがあります。宜しければご覧下さい。https://note.com/uja_career/n/n1bb15fb3357b
簡単に言うとこの大学に来てくれと誘われたからです。ドイツ時代、応募などはしていなかったもののぼんやりと次の行き先を探していた所、熱心に誘ってくれたのがこの大学でした。研究環境が魅力的であった、人生に冒険してみたくなった、古代中国の歴史が趣味、義に感じるところがあったなどが実際に受けた理由です。
2.修士時代は研究が好きでアカデミアで続けていくのかなと漠然と思っていましたが、アメリカはおろかドイツ、中国で研究するとは全く想定していませんでした。その時その時に風の吹く方へ流れている計画性のない人間です。
3.各国で一つの場所、時期も立場も異なるので厳密な比較は出来ないと思いますが、振り返ってみます。
日本・北海道大学: 世界の最先端をそれほど気にせず純粋に学問を追究できる雰囲気が良かったです。学生が育つには良い環境だったと思います。
アメリカ・ミネソタ大学::スペースが広く資金も潤沢で一番伸び伸びと仕事が出来たかなと思います。内部資金が少ないのでPIレベルだと研究費を取ってくるプレッシャーがきつそうでした。
ドイツ・マックスプランク:根本的な疑問を解決しハイインパクトな論文を出せという無言のプレッシャーは半端なくありましたが、教育義務がないので研究にさける時間がおそらく90%を越えていました。内部資金が安定してあり、やりたい研究をすぐに行える。研究だけを考えたときには理想的な環境だと思います。
中国・華中農業大学:研究者の数が多く、共同研究者が学内にすぐに見つかります。大学の研究・生活へのサポートが手厚く熱意を感じます。とにかく大学や学科全体として研究を盛り上げて行こうぜという上げ上げな感じは良いです。良い研究を行っていれば、研究資金に困ることはなさそうです。学生が多いので教育も思う存分出来る反面、結構な時間を教育に費やすので、長時間労働になりがちです。