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あったら便利だけど、実現するにはいかにもハードルが高そうなサービス(アプリ)があります。

それは複数のWebサービスを「いい感じ」にまとめてくれるWebサービスです。仮に「自分用UI変換サービス」と呼びます。

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たとえばレストランのWebサイトがあります。これも各レストランがデザインを工夫していると思うんですが、Webサイトごとに「交通」や「おすすめメニュー」や「定休日」や「臨時のお知らせ」などの場所が違いますので、あれこれ迷うことになります。レストランなんだから同じインタフェースでアクセスしたいし、レストランの比較検討もできてほしい。

たとえば「食べログ」に登録してある店舗は、どの店のようすも共通のインタフェースで情報が得られます。あれがちょっと近いですが、あの場合には「食べログ」のインタフェースが好きな人も嫌いな人も同じものを使わなくてはいけません。また、登録されていない店はどうしようもありません。

私がイメージする「自分用UI変換サービス」は、自分用にカスタマイズされていて、しかも店が登録されている必要もありません(とやると、かなりハードルが上がってしまいますね)。

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別の例としてネット銀行がありますが、各銀行ともにUI/UXに工夫をこらしていると思うんですが、ユーザ側からしてみると要するに銀行ですよね。なので、どの銀行でも同じようなインタフェースになっていてほしいのではないでしょうか。少なくとも私はそうです。

各銀行のインタフェースととりまとめる会計クラウドサービスがあります。あのイメージがちょっと近いですが、それがいろんな業界や分野に自然に存在してほしい。

個別のWebサイトが工夫を凝らすのが悪いわけではないのですが、「自分用UI変換サービス」を経由すると、業界や分野ごとに同じUI/UXになる。そんな仕組みがあればいいと思います。

どんな「自分用UI変換サービス」が便利なのかは人によって違うでしょうから、全員が同じUI/UXを使う必要はありません。ほしいのは「自分がA,B,Cという銀行にアクセスするときに、三つとも私にとって同じUI/UXになるような仕組み」です。

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ごく簡単な方法としては、ブラウザで適当なCSSをかませることである程度はできます。でもメニューの文言を変えたり、銀行Aでは複数ページに分かれていて、銀行Bでは一つのページにまとまっている情報を統一的に扱うのはCSSだけでは無理ですね。何らかのAPI的なもので共通化する必要があるでしょう。

「自分用UI変換サービス」を実現するためには、すべてのWebサイト側の方にも何らかの仕組みが必要になりそう。ということで実現は難しそうですが、あったら便利だと思います。

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結城浩

EngineerWriter

本を書いて生活しています。著書は『数学ガール』『プログラマの数学』『数学文章作法』『暗号技術入門』など多数。文章を書くこと、学んだり教えたりすること、プログラミング、数学、人と人とのコミュニケーションなどに関心があります。詳しい活動内容は https://mm.hyuki.net/n/n5f00c9cd281c をご覧ください。アマゾンの著者ページは https://link.hyuki.net/amayuki にあります。なお、私は数学読み物を書いていますが、数学科出身でもありませんし、数学の研究者でもありません。2014年度の日本数学会出版賞を受賞しました。〔ゆうき・ひろし〕