小林憲正:すでに他の先生からの回答がありますので,若干の補足です。
鵜山先生の回答に,生命の誕生する確率がほぼ0という「科学的検証」が紹介されています。これは東大の戸谷先生のものです。これは化学進化の過程で地球生物と同じ核酸(オリゴリボヌクレオチド)が生成する確率を計算したもので,地球と全く同じ生命システムの生命しか認めない場合は,そのような試算となるのは当然ですね。まさにチンバンジーがタイプライターをたたいてハムレットを書けるか?という議論です。惑星の環境は様々ですので,それぞれの環境に応じた様々な「生命」の存在を考える必要があります。
残念ながら,現時点では天の川銀河の知的文明が36以上である,逆に生命すら1つしかない,いずれも言い切るだけの情報を私たちは持ち合わせていませんが(言い切ったような論説は信用できません),太陽系の地球以外の天体(火星・エウロパ・エンケラドゥスなど10ほどの候補があります)で生命がひとつでもみつかれば,前者の可能性が高まるでしょう。