ikeken:福岡に「ちかえ」という有名な生け簀料理屋があります。そこに、アメリカ中西部出身８０歳を越えて初めて生魚を食べる人を連れて行きました。 いや、国際学会で一緒だったアメリカ人の友人のお父さんです。親孝行で日本に連れてきて、ぼくと一緒に食べに行くことにしたらまさかの生け簀料理。 イカなんてもちろん食べたことないし、大丈夫かなぁ、と心配していたおじいさんでしたが、入り口で大挙して泳ぐイカの群れを見て驚喜して動画を撮影し、あれよあれよというまに活き作りでぴくぴく動いているのを丸々平らげてとてもご満悦でした。これはとてもインプレッシブ。 自分が食べて印象に残っているレストランと言えば、ウランバートルやらサンティアゴやらプラハやらソフィアやら、なかなか行けない国のうまいものを挙げることはできますが、一番の楽しい驚きはこのイカに勝てないかも。 「あなたへのレター/回答リクエスト」というのでこの質問ですが、ほんとにぼく宛てですかね(ナゾ)。他の誰かにも宛てているのかここちらからはわかりません。

Yoshikazu Mizuguchi:イタリア・ローマの　Ristorante Pizzeria Uffa Che Pizza　です．家族で数か月イタリアに住んだ際にアパートの隣にあったレストランです．子連れの飛行機移動で疲れ切った状態で食べたローマ初日のピザが最高で，とても印象に残っています．後日ローマ大の先生に聞くと，実は地元の名店だったようで，今もローマ出張の際は必ず行きます．国際会議などで日本の研究者を食事に招待するときもここにしています．ヨーロッパをよく知る方も多いですが，ここの料理には皆さん大満足のようです．

乃南アサ:中国の青海省というところで、地元の警察と人民解放軍の方に囲まれて食事に行ったのは印象的でした。出されたのは、ラクダの蹄やロバの睾丸などで、二度と口にしないだろうと思うものばかりで獣臭く、それと、皮をむいただけのニンニクを丸ごと、かじるのです。これで臭い消しをするつもりなのでしょうが、ニンニク臭さと獣臭さと、またニンニクの辛さが特別印象に残りました。地元の人たちがニヤニヤ笑いながら見ているのも印象的でした。

浅野　晃:私が初めて海外に行ったのは，1990年のモスクワでした。当時私は大学院生で，モスクワの研究所で2か月間を過ごしました。 当時はまだ社会主義国「ソヴィエト連邦（ソ連）」だった時代で，市場経済移行がどうとか言われていましたが，まさか1年後にソ連がなくなるとは，その時は思いもしませんでした。 研究所にいたときに，同室の人に誘われてよくお昼ご飯に行っていたのが，研究所の近所にあった下の2つで，今となっては懐かしい思い出です。 * 共産党地区委員会の職員食堂。本来は職員専用でしたが，ある時刻（2時頃だったか）を過ぎると一般の人も入れてくれました。日本で「役所のレストランは穴場」といわれるのと同じような感じでした。私は，さらにそこでピロシキをたくさん買って帰って，晩ご飯にしていました。 * 「スタローヴァヤ17号」。スタローヴァヤ（столовая）は，現在ではファミレスのような「気軽でちょっとおしゃれな」飲食店を指していますが，当時は「国営の非常に安価な食堂」、というより「食事配給所」でした。半地下で殺風景な白いタイル張り，椅子がなくて立ち食いでした。同室の院生が「Akira，スタローヴァヤ17号に行こう」というと，秘書の女性が「あれはやめといたほうが…」というくらいでした。 写真は，2017年にロシアのフィンランド国境そばにあるヴイボルクを訪れたときに，街で見つけた「スタローヴァヤ1号」です。中が少しだけ見えますが，昔のスタローヴァヤの雰囲気を残しているように思います。 （ご質問の趣旨とは違っていそうですが，「印象に残っている」ということで書かせていただきました）