目的や立場によって何を学ぶべきかが違ってきます。大企業か、中小企業か、スタートアップか。学問としての経営学を学びたいのか、実務に役に立つ経営の知識を知りたいのかによっても異なってきます。

「経営学」というのは、大企業の経営を念頭に発達してきた学問なので、たとえば中小企業の経営を学ぶ場合はそれ向けの書籍を選んだ方がいいと思います。最近の著作では浜口隆則さんの『守りの経営』かんき出版、は中小企業の経営者に読んでほしい書籍です。

スタートアップ(ベンチャー)企業の場合も、成長期固有の経営課題に直面するので大企業向けの「経営学」の前に、それ向けの書籍を読むべきでしょう。長谷川博和先生の『マネジメント・テキスト ベンチャー・マネジメント[事業創造]入門』日本経済新聞社、などがおすすめです。

学術研究ということであれば、それ向けの「経営学」のテキストがあります(質問されている方はそうでないと思いますが、大学院生であれば入山章栄さんの『世界標準の経営理論』ダイヤモンド社を読んでいることだと思います)。

もし、大企業の経営に携わるといことであれば、どのような職種であるかによって自ずと重点的に理解すべき分野が定まるはずです。マクロからミクロへというのがおすすめで、「経営戦略」「経営組織」「組織行動」と進むのがいいでしょう。網羅的に知りたいか本質を知りたいかによって読むべき書籍も違ってきます。

経営学は経済学のように標準化が進んでいないので、10人の経営学者がいれば10の理論があるともいわれます。そのような状況で偏りなく学びたい場合は、藤田誠先生の『ベーシックプラス 経営学』中央経済社がおすすめです(経営学の全体を見渡すのに適した良書)。事例とともに学びたい場合は、加護野忠男・吉村典久『1からの経営学』碩学舎が適切だと思います。

2022/02/26Posted
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