原子核の半減期ですね。陽子と中性子がかたまりをつくった原子核は、それらの間にはたらく引力(核力)と陽子の間にはたらく電気的な反発力がバランスしてできている微妙な状態です。うまくくっついていることもあれば、不安定で時間が経つとより安定な状態に移っていくこともあります(それを特徴付けるのが半減期ですね)。ウランのように大きな原子核では、分裂して他の原子核になったほうがエネルギー的に安定するため、一定の確率で崩壊が起こります。他にはアルファ線やベータ線を出して変化する場合もありますね。
これはすべて原子核の話です。原子核の崩壊は、原子核の中心から遠く離れて回っている電子にとってはあずかり知らぬ話で、さらに別の原子と作って化合物を作っているかどうかは無関係です。ですから、答えは「半減期はどんな分子を作っていても変わらない」となります。
ただ、微妙な話はあり得ます。原子核の遷移で放出されるエネルギーが極端に小さくて、分子の結合エネルギー(電子ボルト(eV)くらいの大きさですね)になることがあると、分子になっているかどうかによって変わることもあるでしょうね。そんな例はほとんどなく、通常は原子核の遷移のエネルギーは、分子の結合エネルギーよりも1000倍とか100万倍とか、とても大きいので、分子であるかどうかは問題にならないのです。核エネルギーが化学エネルギーよりはるかに大きいことからもわかりますね。
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