佐々木俊尚:Feedlyというアプリに、現時点では418のウェブサイト(新聞社・出版社のサイトやウェブメディア、個人ブログなど)を登録しており、そこから毎日1000を超える未読記事の見出しが流れてきます。これらをすべてスマホでチェックし、気になる記事はピックアップしてPocketというアプリに転送します。Pocketは「あとで読む」と呼ばれるジャンルのアプリです。 空いている時間にPocketでピックアップした記事の全文を読みます。全文を読む記事は1日でだいたい30〜60ぐらい。この中から「これはシェアしたい」と思った記事を毎朝TwitterとFacebookでシェアします。シェアする際にはBufferという予約投稿アプリを使っており、おおむね前日の夜には終わらせています。 では、最初のパラグラフで書いた「気になる記事」とはどのような基準か。たとえば「OpenAIのCEOサム・アルトマンが解任された」というニュースはここ数日テック系メディアで話題沸騰になっていますが、「アルトマンが解任された」「解任されたアルトマンはマイクロソフトに行く」「OpenAIの社員の9割がアルトマン解任に反対している」などの事実経過の記事はどれも同じような内容で、ひとつ読めば十分。同種の記事は二つ以上はピックアップしません。 「気になる」のは、なぜアルトマンが解任されたのか。OpenAIの社内でどのような議論があったのかなど、新たな知見や分析などが含まれている記事です。そうした記事を読むことによって、アルトマン解任のニュースをより多数の視点から見ることができます。情報を収集する力、すなわち「情報力」というのは究極のところ、このようにひとつのできごとを複数の視点から見る力を高めることに他ならないとわたしは考えています。 情報収集についてのより具体的な方法については、近著『読む力』(東洋経済新報社)にくわしく書いています。よろしければそちらをお読みいただければ幸いです。(Read more)