イナダシュンスケ:かつて地中海沿岸では「シルフィウム」というスパイスが珍重され、銀と同等の高額で取引されていました。北アフリカの限られた地域でしか育たないセリ科のハーブの樹脂を固めたものであり、肉や野菜にチーズのように振りかけて食べられていたそうです。
残念ながらこの植物は、紀元一世紀には家畜に食べ尽くされて絶滅しました。その代用品として用いられ始めたのが、近縁種の植物であるアサフェティダ(ヒング)です。しかし結局、ヨーロッパではすぐに使われなくなり、インドなどの限られた地域だけに残りました。一説によると、アサフェティダはシルフィウムほどおいしくなかったため、その薬効を重んじるインド以外では廃れたとも言われています。
アサフェティダ自体がとてもユニークなスパイスですが、それよりもおいしいとされるシルフィウム、かなうことなら料理に使ってみたいものです。
あと、日本の古い文献にやたら「最高級食材」的に登場する「鶴」ですかね。
もっともこちらは実際食べたら「なーんだ、鶏の方がおいしいじゃん」となってしまいそうな気もしますが。
かつては蕎麦を味噌ダレで食べていたという話もずっと気になっていましたが、つい昨日、その材料となる味噌(江戸味噌)が復活しているということを教えてもらいました。こちらはすぐにでも挑戦できそうです。やってみたいと思います。