津田賢一 (Kenichi Tsuda):色々とごちゃ混ぜにしてしまっているようなので整理して回答します。
日本学術会議による中国の軍事研究への協力について:
まず学術会議が中国の軍事研究に協力しているという事実は存在しません。軍事研究は高度に政治的で同盟国でもない中国に日本の公的機関が協力することはあり得ないと思います。もし日本学術会議が内密に中国の軍事研究に荷担しているということであれば、それは犯罪である可能性があります。
防衛省研究に反対する日本学術会議について:
日本学術会議が大学が軍事研究に参加するのに反対するのは第二次世界大戦中の反省から来ているかと思います。様々な意見があるかと思いますが、個人的には大学の研究者が軍事研究に参加することに問題はないと考えます。私個人的には参加しませんが。
軍民融合の中国について:
中国に限らず、日本、アメリカ多くの国で軍民融合は起こっています。日本の企業でも武器や戦車を作っていますよね。従って中国に限らず日本も既に軍民融合であると言えるかと思います。
中国で日本人である私が研究することについて:
研究は大きく分けて2つに分けられます。論文として成果を世界に公表し生産した知・物・技術を世界で共有する基礎研究。そして成果を公表しないことがある応用研究です。前者は大学などアカデミアの分野で多く行われ、後者は企業や軍事研究などが含まれるかと思います。基礎研究の研究者は中国で研究しようが、日本で研究しようが、アメリカで研究しようがあまり関係ありません。成果は論文として”世界に公開される”ので研究している国特異的に貢献するということにはなりません。私はこの基礎研究を行う研究者です。従って、私が日本にいる研究者と比較して中国の軍事研究により協力しているという事実はありません。
国として当然気をつけなければいけない事は当然そうするべきだと思います。但し色々なことをごちゃ混ぜにして考えてしまうと逆に日本の国益に沿わないのではと懸念します。