渡辺浩弐:地球上に80億とか100億という人間はやはり多すぎます。食料やエネルギーの問題はなんとかなると思っているのですが、全ての人々の自己実現は不可能です。人はパンのみで生きるものではありませんから、実はこれは大きな問題なんです。
これからは、「自己実現する人々」と、それに対して「自己投影する人々」に二分化されていくのではないでしょうか。メタバース技術の本質はそこにあります。
仮に前者をリア充、後者をエア充としますと、将来的にはリア充の視界(ないし五感の全て)が公開され、その1人の体験を何千ないし何万人ものエア充がゴーグル型モニター(もしくはブレイン・コンピュータ・インタフェース)で疑似体験するようになるはずです。リア充とエア充の比率は1:10000くらいが適正と思われます。
現在VtuberやYouTuberやアイドルに対して行われる過激な支援は、「僕のために面白いことをやってくれてありがとう」ではなく「僕の代わりに面白いことをやってくれてありがとう」ということではないかと思います。このお金の流れ方は今後大きな経済圏を成していくと確信します。