田口善弘@中央大学:「ほしのこえ」ですね。これは新海監督の初の劇場公開作品です。内容は、ですね、セーラー服を着た少女がロボットに乗って異星人を倒しに宇宙船で飛んでいくというなんというかヲタクの妄想を単にアニメにしてみました、というような内容です。「25分のフルデジタルアニメーションの監督・脚本・演出・作画・美術・編集のほとんどを、新海誠監督が一人で行なった」とあるように、ほぼ独力で作った作品です。少女には彼氏がいるんだけど、地球から離れるにしたがって電波が届くのに時間がかかって返事が来なくなる。そして、多分、離れすぎてしまって彼が生きている間にはもう届かないくらい離れてしまう、でも地球を守るためには戦わないといけない。そういう悲しい話です。キャッチコピーがそもそも「私たちは、たぶん、宇宙と地上にひきさかれる恋人の、最初の世代だ。」 ですから。これ自身はきっとそんなにオリジナリティもないし、ありがちな内容だと思うんですが、新海監督の原点が全部詰まっているので僕は好きです。どっちかというと最近は一般受けするような映画を作るようになってしまいましたよね。