川原繁人:個人的な経験で恐縮ですが、私がアメリカに留学して、一番難しいと感じたのがspeakingでした。読むのも書くのも日本での英語教育と自分なりの自習でなんとかなっていました。読むのは、簡単な英語で書かれた小説などをたくさん読んでいましたね。聞くのもそれなりに自習でなんとか、それなりのレベルになっていました。映画などを沢山聞いて練習していました。書くのは大学(国際基督教大学)の教育のたまものでしょうか、アメリカに留学したころから、nativeに負けないwriting能力はあったと思います(こまかい文法の間違いは今でもしますけど)。
しかし、speakingはどうしても自習の限界があったのだと思います。留学した頃は、なかなか話せないと悩んでいました。ただ、「せっかくアメリカに来ているのに、話せないからって話さないのは勿体ない」と決意したとたん、なんとかしゃべれるようになってきました。というわけで、あまり参考になるかわかりませんが「実践あるのみ」と感じています。
質問の中で一点気になるのが「日本語を見て瞬時に英語に直して口にする瞬間英作文を試してみています」という点です。考えを日本語に変換して、それを英語にすると、そのタイムラグのせいでなかなか話せません。特に複数の人が会話している中に入ろうとすると、そのタイムラグだけでコミュニケーションが不可能になってしまいます。始めから英語で考えて、英語で話せるような意識のほうが、実際のコミュニケーションでは役に立つのでは、と思います。