Yuji Miyazaki:少し変化球のお答えになりますが、糸井重里氏が1990年代に述べたとされる以下のような文言が印象に残っています。
「だって、『いま売れてます』が
いちばん効くコピーなんだから、
この先の広告にはなにもないよ」
(出典:https://www.1101.com/umeda_iwata/2008-11-21.html ※糸井氏の言葉を岩田聡氏が紹介しているものです)
勿論これは出稿された正式なキャッチコピーではありませんが、旧来型の「クリエイティブ」な広告表現が現代で置かれた状況を言い表す良質なコピーになっていると思います。私が知ったときにはすでに糸井氏はコピーライターを実質引退していましたが、それでも著名なコピーライターとして知られていましたから、そのぶん衝撃でした。個人的な話ですが、私はこの言葉を目にしてから「いま売れてます」的な「広告」、データ駆動型「広告」、「評判」を重視する消費活動の存在の意味を考える必要があると思い至るようになり、歴史的なアプローチからこの方面の研究を行うに至りました。
従って印象に残っているコピーとしては変化球ですが「いま売れてます」あるいは「『いま売れてます』がいちばん効くコピーなんだから、この先の広告にはなにもないよ」、というのがお答えになります。