わたしはいつも何かを書いたり作ったりしているとき、その最中、それが演劇なら一緒に作る仲間になるわけですが、その人たちとゲラゲラ笑ったり、「おもしろいよなあ」といい合ったりする時間がいちばん楽しい。本番なんかなきゃいいのにといつも思っていた。本番があるからその時間はあるのですが「肝」は本番にない。小説なら身近な誰か、この人ならきっとおもしろがると思える、思い込める、誰かに読んでもらって、「おもしろい」といわれたらそれでいい。だからその外に読まれているということにいまだにびっくりする。実感する世界が非常にせまいのです。人間に認識可能なのはそれくらいだろと思っている。せまいからこそ厳密なのです。何が楽しかったのかをわからなくならないでください。勇気づけられたと思えたときこそがもっとも楽しい時間だったのです。出来上がりや完成なんていうのはどうでもいい。そんなことは誰もいわないし、ああだこうだもっともらしいことをいうけど。自分で日数やら枚数で決めたらいいんです。ミャーミャーいうのをやめたら「これで終わりだな」とわかるはずです自分で。
1 year ago