気体が玉虫色に「見える」のことですよね?これは干渉色による発色です。干渉とは2つの波が重なることで波形が変わる現象のことですが、非常に薄い透明な幕があった場合、幕の内側と外側の面で反射した光が干渉することで色が発生します。身近な例ではシャボン玉が薄く虹色に色づいているのをみかけることがあると思いますが、これが干渉色によるものです。

この干渉色は幕の厚みで色が敏感に変化します。つまり膜厚の微妙な変化を可視化できるということです。くだんの装置は隙間のない2枚のシートの間にむりやり気体を押し込むことで「隙間」を作ります。この隙間に入り込んだ気体の手前と奥の面で反射した光の干渉色を観測します。気体の種類によって、できる隙間の厚さが微妙に変わるのでこの干渉色のグラデーションを観測することでいろいろな種類の気体を区別することができます。

気体検出以外にも構造色の研究があるか、ということですが、たとえば、玉虫の羽の色の輝きなどは構造色ですし、透明な幕があれば基本的に干渉色を発生させることは可能なのでいたるところで研究されているといえばされているでしょう。

簡単に作れるかというご質問には上述のシャボン玉の例などは「簡単に作れる構造色」と言ってよいと思います。

2 years ago

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Past comments by 田口善弘@中央大学
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