生物発光科学者(近江谷):原生動物ともいわれる渦鞭毛藻類には動物性のものと植物性のものがいます。植物性のものは日中は光合成をしっかりしますし、鞭毛を持つことから動き回ることができます。よって、動植物の中間的な存在、ハイブリット型の生物が存在します。
特にLingulodinium
polyedrumは発光性の渦鞭毛藻であり、日中は光合成を行い、光を求めて動き回ることができます。一方、夜間になると日中の光合成に用いたクロロフィルを代謝し、発光のためのルシフェリン(発光のための基質)に変換することができ、これを用いて発光します。光合成と生物発光がつながるユニークな生物です。
動物性渦鞭毛藻類として、赤潮の原因の一つである夜光虫が有名ですが、夜光虫は光合成をできません。しかし、夜間に光ることができます。この場合もクロロフィルの代謝産物をルシフェリンとしていますが、どのような経路でクロロフィル原料を獲得しているかは未解明です。