青木俊明:効率的に物事に対処していこうと思い,対応する順番や対処方法について考えているとき,あまりに多くのパターンを想定しすぎてしまい,結果的に場当たり的に対応したときの方が効率的だったということがしばしばあります.日常生活の中の例で言えば,帰宅がてらに複数の店で買い物を行わなければならない場合,店を回る順番を考えていると,思った以上に時間を費やしてしまうことがあります.こういった場合,適当に回って買い物を行った方が結果的に早かったということも珍しくありません.効率的に仕事に対処しようと考えている人にはありがちなことだと思いますが,こういった失敗を避けるため,普段から,効率化の効果がさほど大きくないものについては,効率化しないようにしています.また,効果に思考力を使った場合,疲れを感じるとともに,効率化したこと自体に満足してしまい,休憩時間を多く取ってしまうこともあります.そのため,あまり複雑なものでない場合には,効率化をせずに,直感的(場渡り的)に対応するようにしています.また,自分がよく知らないこと(不確実性が高い案件)は,あとから煩雑な問題が生じることも少なくないので,取り組みを開始する時点では,あまり効率を求めないようにしています.