鵜山太智:別の星に旅行ができるようになったり、大勢の人を宇宙空間で住まわせる。そんな未来が来たらどうなるのかと考えるのは楽しいですし、将来への期待も膨らみますね。
宇宙に人を送り出すという点では以前はアポロ計画などがあり、現在でも宇宙ステーションに宇宙飛行士が滞在していますし、無人ですが地球から離れた火星に探査機を送り込んだり(NASAのローバーが稼働中:
https://www.jpl.nasa.gov/missions/mars-2020-perseverance-rover
)もしています。更に今後は月や火星に人を送り込むという計画(例えばスペース
Xのスターシップ)もいくつか進んでおります。ただ、簡単に人を送り込むと言っても方法論は未だに確定しておらず、特に人命にも関わるとなるとリスクの面で非常に難しいです。最終的なロードマップに向けて、細かいステップを一歩一歩進めないといけません。
これらのステップを進めるためには様々な面から研究を進めないといけないです。一言でロケットを宇宙空間に打ち上げると言っても機体の耐久性やエンジン、燃料など研究内容は多岐に渡ります。ここに人を乗せるとなるとロケットの内部構造、人の健康状態や閉鎖空間での精神面などの研究も必須です。このあたりの全てのテーマをそれぞれ時間をかけて研究し、細かい議論を積み重ねないといけないのです。
逆にいうと、過去からの現在に至る研究の積み重ねでようやく近い将来人を月や火星に送り込める可能性が現在議論できるようになったと言えます。そして人を月や火星に安定して送り込めるようになった段階で、次のステップが始まると思います(それがどうなるかは僕にも分かりません)が、質問されているような数世代にわたる大規模な宇宙船は、まだまだ越えるべきステップが多すぎる印象です。
遠い将来の可能性を捨てる事はないので全く議論しないとは言わないですが、残念ながらまだ現実的な計画としては議題に上がるにはハードルが高すぎると思います。