川原繁人:近しい何かでしょう。ただ、「プリキュア」が「プリチュワ」になる現象は音の問題ですよね。「キュ」の発音が少し口の前でおこなわれて「チュ」に聞こえてしまう。「キュア」の[ua]の部分が母音の連続として嫌われて、[uwa]という風に子音が入る。このように音をどう発音するかというのは音声学上の問題だと考えられます。 「いっつ、につ、さんつ…」は単語のチョイスの問題ですね。「ひとつ・ふたつ・みっつ……」という数え方は、いわゆる和語です。昔から日本語にあった単語ですね。それに対して、「いち・に・さん・し……」という数え方は、漢語です。昔中国から借りてきた単語です。 こどもはどの時に和語を使い、どのときに漢語を使うなんて知りませんから、大人だったら漢語を使うところに和語を使ったのですね。でも、「いち・に・さん・し……」だって数を数える単語なのですから、この発音が原理的に間違っているわけではありません。ただ大人と違う形を使っただけです。「いち・に・さん・し……」の方が使う頻度も高いわけですし、これも子どもなりの論理があってのことだと思います。 ちなみに、最近、下の娘が「うちのかぞくは『しにん』」と言ったので、驚きました。4人を「よにん」でなくて「し(四)にん」と思ったのですね。あとは「四個」を「しっこ」と言っているときもあります。全く同じ現象が我が家でも観察されております。直ってしまう前に楽しく鑑賞しましょう。(Read more)