加納 学:「研究職で早いうちに結婚された方」とのご指名ですが,回答がつかないようなので,私から回答を試みます.
私は,修士課程修了と同時に助手(今の助教に近い職階)に採用され,論文博士制度を利用して学位を取得し,その後に結婚しました.学生結婚は経験していません.このことは前提として共有しておきます.あと,「きちんとした結婚生活」が何を意味するのかが不明瞭なので,期待されている回答になるかはわかりません.
まず,「忙しさ」については,博士後期課程学生と同程度かそれ以上に忙しい人は数多くいて,結婚もされているので,それが致命的な問題にはならないと思います.私自身も,忙しいときには土日祝日や昼夜関係なく研究および事務的作業をしていました.もちろん365日24時間働くわけではなく,メリハリを付けて生活することになります.
「将来の収入」というのは,学位取得後に就職してからの収入でしょうか.これは任期付きといった不安定なポストに就いた場合のことを指していますか.そうだとしたら,確かに不安定なので,結婚相手には理解しておいてもらう必要があると思います.なお,在学中は,学振DC,文科省のフェローシップ,その他の奨学金などがある他,研究室にRAとして雇用してもらうといった生活費を獲得する方法があります.何が利用可能かは大学や研究室に依存するので,事前に調べておくことを勧めます.
「居住地の不確実性」については,企業に就職しても転勤があるところは多いでしょうし,進学することのデメリットだとは思いません.
というわけで,もしかすると,知識不足から来る不安に苛まれているのではないでしょうか.そうであれば,とにかく進学しようと思える研究室の指導教員とよく話をして,知識を得て,不安を解消されるのがよいと思います.