古勝隆一 (Ryuichi KOGACHI):三人のお子さんを育てていらっしゃるとのこと、素晴らしいですね!そもそもアドバイスする資格があるとも思えませんが、せっかくの機会なので、自分の子育て経験の反省点も含め、考えを述べさせてください。箇条書きにしてみます。
* 本人の「好き」を大切にする。兄弟姉妹であれ何であれ、ひとりひとり、好きなものはそれぞれです。親が好ましいと思うものをその子が好きになるとはかぎりません。子ども本人の嗜好や指向をよくよく観察し、親から見て、それが子どもの将来のためになりそうなことであれば、応援したいものです。本人が積極的なのに、親が拒否感を示すと、子どもはやる気をなくしがちなので、注意すべきでしょう(失敗談)。
* いろいろな体験の可能性を考えておく。誰にとっても、「好き」を見つけるのは意外と難しいものです。外界との接触のなかで生まれてくるものなので、接触がなければどうにもなりません。なるべくさまざまな体験ができるよう、親が工夫できるのではないでしょうか。別にキャンプとかアウトドアとか型にはまったものでなくても、散歩のときに植物をじっくり見る、地域の催しに参加する、近所の図書館に一緒に行く、などでもよいと思います。
* 苦と楽のバランスを取らせる。「好き」の気持ちこそ原動力なのですが、単に消費的な「好き」になってしまうと、商業主義にからめとられるなど、弊害も多いことでしょう。自分が苦労しながら、そのなかで楽しさを見出すのが理想ではないでしょうか。苦労して頑張っている時こそ、励ましたいものです。
* 忍耐力をつけさせる。学ぶことにかかせないのが、忍耐力、根気です。技能的なことは、こつこつ粘り強く続けて身につける必要がありますし、本を一冊読み切るのにも、忍耐が必要でしょう。根気よく頑張っている姿をほめてあげることは、将来にもよい影響を及ぼすと思います。長距離を一緒に歩く、手仕事を一緒にするなどでも、根気を養えます。
* 親が子どもを競争に投げ込まない。せっかく「好き」で始めて、よい仲間ができたとしても、えてして競争に巻き込まれるのが今の時代です。スポーツなどばかりでなく、あらゆるものの優劣が競われるようになっています。他人と自分を比べてしまいがちです。しかし、自分は自分、人は人。親が競争を煽るようなことは、望ましくないと私は思います(この点にも反省点があります)。
* 子ども用の本棚を用意する。本から学ぶことは、たくさんあると思います。図鑑や絵本などを買って、子どもが手に取りやすいよう自宅に並べておくのがよいですが、できれば子どものための本棚があったほうがよいかもしれません(本棚の1段などでもかまわないので。子ども部屋ではなく、家族団欒のスペースに)。自主性が出てくれば、子どもに欲しい本を選ばせるとよいでしょう。学校の各教科などを例にとっても、読解力は学びの基礎です。かさばるからといって、親が紙の本を毛嫌いするのは危険だと思います。
自分自身や子どものことを思い返しながら述べてみました。少しでもお役に立てるところがあれば幸いです。豊かな子育てライフをお祈りします!