牧野圭祐|脚本家・作家・ゲームシナリオ:質問者様は「50枚でどうやって話をまとめるのかを書いたものは見受けられませんでした」と書かれていますが、そんなことはなく、筒井康隆先生の「短篇小説講義」をはじめとして、短編の指南書は数多く出版されていますので、調べてみて自分の目的に合うものを探してみてはいかがでしょうか。あとは連作ではない短編小説をたくさん読んで、身体で覚えるという方法ではないかなと思います。
質問者様の挙げられている作品が時代物ですが、そのジャンルでお悩みなのでしょうか。
コツとは違うかもしれませんが、書くときに「本当にその生い立ちや舞台の説明は物語に必要か?」と自問自答していくと、余計なものは削がれていきます。これは時代物でも現代の小説でもSFでも関係なく、長編だからといってダラダラと不要なものまで書いていたら読者は飽きますし、焦点がぼやけるのではないかと思います。短編であればなおさら、人物、場所、エピソードを極力絞っていかないと、規定枚数内にはおさまらないのではないでしょうか。
ところで、「最初は50枚程度の短編から」という教えもべつに鵜呑みにしなくてもよいかなとわたしは思いますが、そのくらいに収める技術がなければ、長編はとても冗長でまとまりのないものになってしまう予感がします。