粟田知穂:弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができないのが原則です(弁護士法72条)。たとえば、事件屋のような専門職たる弁護士ではない者が他人の法律事務に介入すると、法律秩序が乱され、国民の公正な法律生活が侵害され、国民の権利や利益が損なわれるためです。弁護士以外の者は厳重な守秘義務を負っていないなどの問題もあります。報酬は金銭に限らず、反復継続する意思があれば足りるとされます。そのため、「友好的なケース」において「手伝う」という形態であっても、この「非弁行為」(非弁活動)に当たる可能性が高いので、注意が必要です。非弁行為は犯罪とされており、2年以下の懲役または300万円以下の罰金に処される可能性があります(同法77条3号)。
民事訴訟法54条1項も、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ訴訟代理人となることができないとし、刑事訴訟法31条1項も、弁護人は、弁護士の中からこれを選任しなければならないとしています。いずれも例外はあるのですが、弁理士や司法書士などの専門家を想定した規定であり、裁判所の許可が必要であるなどとされています。
なお、「手伝う」ということの概念を広げれば、証人として証言することなども含まれるかもしれません。裁判所に証人として採用されれば、良心に従い記憶通り証言することが必要ですが、結果としてそれが当事者本人の助けになるということはあるでしょう。