鵜山太智:写真だけでなく自分の目で宇宙がどうなっているのか見てみたいと思う人は結構いるんじゃないでしょうか、僕もそうです。上空数百キロまで行けば宇宙があるのに、現代の技術ではそこまで辿り着くのがなんとも遠いですし、様々なリスクや障壁を突破しないといけません。早く宇宙旅行が手軽で安全なものになってほしいですね。
さて大気圏から宇宙を眺めるとどうなるのかですが、大気圏と言っても結構長さに幅があるんですよね。大気は宇宙空間に入ったらすぱっと無くなるのではなく、高度が上がるにつれてちょっとずつ減っていきます。ISSの位置する高度ですら非常に薄いですが一応大気はあります。
そして色ですが、地球の眺める空の色は大気の散乱によるものです。なので大気が薄くなるにつれ散乱の度合いも弱くなって、ちょっとずつ宇宙の色に近づきます。黒が強くなるのは数十kmくらい上空でしょうか。ちなみにオゾンは薄い青色をしていますが、オゾン層でも色がわかるほど密度が高くはないので空の色とは関連しておらず、オゾン層を超えたからいきなり黒くなるわけではないです。
そして宇宙の色ですが、もちろん太陽や月といった非常に明るい天体があればその周囲は明るいです。ただ散乱する大気がほとんどなくなるので、地上と比べると太陽の周りは暗くなっているでしょう。あと夜空を考えてもらったらと思うんですが、太陽が月が見えていなくとも、天の川や黄道光が広がっています。というわけで、どこを見ても真っ黒というわけではありません。また天の川に含まれる星は表面温度にかなり幅があり、肉眼でも様々な色で見えるので、星と言っても単に一色というわけでもありません。天の川を細かく見ていくと、様々な特徴があって面白いですよ。