Anonymous:研究室を主宰している立場として，まずは相談してもらえると大変助かります。 入りたい研究室の先生にまずは相談することをお勧めします。

加納 学:工学系（私は情報学研究科に在籍しています）の研究室であればという前提で書きます． 「学部での研究内容と接続の薄い研究室に入ることは可能でしょうか？」については，入試に合格して研究室配属の条件（成績順で各研究室に上限人数まで配属するなど）を満たしていれば可能です． 学部と大学院では，まったく異なる研究に取り組んでもよい，というか，むしろ積極的に違う研究テーマに挑戦するのがいいと思っています．特に，大学卒業後に就職してから大学院に入学するのであれば，何か研究したい対象や勉強したい事柄があるのでしょう．そうであれば，それが学部で勉強したことと違うかどうかなんて，まったく気にする必要がないと思います． ただ，研究室で研究に取り組むにあたり，最低限身に付いていないといけない知識やスキルというのはあるでしょう．だからこそ，大学院入学試験を実施して，見極めているはずです．入試に合格したのであれば，その条件はクリアしているはずですから，堂々と研究をすればいいのです． それでも，教員との相性や研究室の雰囲気が自分に合うかといったことも重要だと思います．そのため，いくつかの研究室を実際に見学して，教員と話をして，希望する研究室を決めるのがよいと思います．研究室の選び方も含めた大学院進学については，以下の記事に自分の考えをまとめてあるので，よければ参考にして下さい． 大学院入試に向けた活動指針 ー 他大学も視野に https://note.com/dr_kano/n/n3c4df9f9cab2

井田 茂:分野によって状況は大きく異なると思うので、よく状況を聞いたほうがいいと思います。基礎科学分野だとそもそも筆記を突破することが容易ではないと思います。また、修士と博士でも異なります。すでに修士号を持っていて博士課程入学の場合は、修士でひととおりの研究のやり方を習得していることで、専門分野が多少異なっても対応できると判断してもらえる可能性はあります。

山崎泰規:十分可能だと思います。他分野の方を歓迎する研究室もいくつもあるかと思います。先ずは、事前に興味を持たれた研究室主宰者のかた(複数)と連絡を取り、お話を聞かれると良いかと思います。きっとピンとくる方に巡り合えるかと。

Anonymous:学部にはいるよりは、すでに大学を卒業しているのならば大学院修士課程を受験して入学したほうがよいです。医学部の場合は別です。 目的を持っていれば、どの大学院でも本人のやる気次第で以前とは異なる学部の大学院研究部門でもかまいません。 大学院修士課程では、目的とする研究を行っている先生を選ぶことが重要です。それぞれの大学において、修士課程学生の応募学生には、大学にて説明会が開催されています。これに参加して、希望とする学部の何を学びたいか、ぜひ、説明会に出席して、先生に内容を聞いてください。説明会がすでに終了している場合は、メールなどで研究内容を尋ねてみてもよいと思います。 海外から、あるいは海外の大学に行く場合は、メールでの問い合わせで、希望する先生に尋ねてみてください。

寺崎一郎:筆記が通るくらいに準備ができているなら、可能だと思います。これは、分野というよりは希望の研究室によると思いますので、研究室の主宰者に連絡をとって話をきくとアドバイスをもらえると思います。実績や経験がないと、他の人より余分な努力が必要かもしれませんが。

広瀬啓吉:修士課程なら問題ないと思います。博士課程ですと、受け入れ研究室の先生との事前のコネクションが必要と思います。

小田部正明 (Masaaki Kotabe):貴方の学部での専門は分かりませんが、社会人2年目ですので仕事の経験はある訳ですね。もし貴方の現在の仕事（ビジネス関係と想定します）に関して将来の出世のためにもっとその会社、ないしは産業の戦略的な事を学びたいのなら、日本式の経営修士（つまりアメリカのMBAと違って、ある教授のゼミに入りその教授の指導の下で修士論文を書く）を取ることが考えられます。私の知っている限りでは、例えば神戸大学などがそのような日本式の経営修士プロブラムを持っています。一般にこのような日本式の経営修士プログラムにしてもアメリカ型のMBAにしても、学部で経営・経済が専門であった必要はありません。

Ken_SATO:社会人を経て，再び大学院で学ぼうという意欲は素晴らしいと思います．ご質問に対する答えは状況によって大きく変わるので，以下，一般的な答えになってしまいますが．例えば，理学部と工学部の間でしたら，あまり大きなギャップは無い場合が多いです．一方，文学部から法学部ではそのギャップはより大きいかと思います．要するに，学部で学ぶ”知識”が大学院修士課程で学び，修論を書く上で必要になる度合いに依存します．また，異なる学部でも個人が強い興味を持ち，その方面の知識・技術をある程度身につけていれば問題は少ないと思います．要は一番大事なのは，本人の意欲ですから．

大谷栄治:大学院に入りなおす場合には，一般には大学院修士課程の入学試験を受験し，これに合格する必要があります．専門外の受験生が合格できるかについては，分野によっても異なります．一般には，大学院の試験は，筆記試験と面接からなっていますが，その分野の基礎知識，基礎学力がない場合には，筆記試験で合格点に達することは難しいことが多いかも知れません．一般に筆記を含めた入学試験に通れば「実績」に関係なく入学は可能です．大学院修士課程の試験に合格するためには，理系の場合には目的とする分野の大学に研究生などで在籍し，その分野の学部レベルの授業内容を知っておくのがよいでしょう．必要ならば，聴講生として学部の授業を聴講して，基礎学力を身に着けることも必要かもしれません．大学院の入学試験については，多くの分野で外国語特に英語力（英語文献の読解力，執筆力）が問われます．それに加えて，専門を含む分野の基礎学力が評価されます．したがって，以前学んでいた学部や専門に比較的近いほうが，有利だと思われます．お尋ねの「筆記が通ったとしても，実績がない」場合とありますが，学部の「実績」はまず評価しないので，まずは筆記が通れば合格すると思われます．分野の異なる大学院に進むことを考えている場合には，まずは事前にその分野の教授に，その分野を学びたい理由，そのために必要な基礎学力などについて話してみることをお勧めします．その分野で大学院の試験に合格し，そこで勉強をするための良い助言を与えてくれるものと思います．ちなみに私の研究室で博士の学位を取得した学生の約半数は，理由は様々ですが修士課程修了後就職し企業で１～２年働き社会を経験したうえで，もう一度同じ研究室の博士課程に進学していました．

生物発光科学者（近江谷）:一般論として、筆記が通れば、その大学院の研究室で研究を行うことは可能でしょう。ただし、受け入れる教官が学部での経験と違ったものでも、自分が指導できる判断した場合です。指導教官が指導できないテーマでは、さすがに難しいでしょうが、テーマを変わることは大きな問題ではありません。 私の経験ですが、工学部の材料科学から、大学院博士課程では医学研究科の生化学の部屋で研究をしました。同じ理系だから問題ないわけではなく、結構苦労しましたが、テーマを変えて今の仕事に付けてよかったと思っています。その時、指導教官からは努力しなければ、退学を進めるともいわれていました。 挑戦する心があれば大丈夫でしょう。

澤博:学部と異なる専門分野を選択して大学院の研究室を選択する大学院生を、過去に何名か指導してきました。この選択が是か非かは、やはり個別の事情によって待ったく異なります。私の研究室では物理を学んだ学生が研究しているために、同じ理系でも物理以外の教育を受けた学生にはかなりハードです。また、社会人が大学院に進学したり、社会人ドクターという制度もあります。会社において十分な知識と経験を持ち、会社とは異なる方向の研究・開発を行いたい場合には、大学の研究室は大変有効に働きます。実際、大学での成果が企業にフィードバックできることもあり、共同研究のネットワークの拡大が見込めます。このように、かなり個別の事情に左右されますので、ご自身の興味や目標と知識・経験が合致している専攻や研究室を探されることが重要でしょう。

小林憲正:本当に何か新しい分野で研究をしてみたいならば，是非，その熱意を持って，関連する分野の先生に相談してみてください。社会人が，筆記試験なしで，口述試験のみで入学できる大学院（研究科）は結構あると思います。何がやりたいか，何を勉強したいかがはっきりしている必要があります。

川原繁人:私はこの投稿者様のような事例がもっと増えればいいな、と思っております。まず、社会人を経験されている方は、大学の内部しか知らない人たちとは別の目線や考え方を持っております。そのような意見はとても貴重です。例えば、基礎研究だけに打ち込んでいるときに、社会人出身の研究者に「会社の研究所ではいくら研究業績を出しても、売り上げにつながらなければ意味はないんです。」と言われ衝撃を受けました（その発言が研究姿勢として正しいかはおいておいて）。 また、専門が異なるというのも強みにできると思っています。本当に斬新な研究というものは複数の視点を統合して得られることが多いです。ですから、自分の学部時代の専門を、大学院の勉強にいかに生かせるか、具体的にプレゼンすれば、それは大きな強みになると思います。逆に言えば、そのような考え方をしている先生の研究所を探すのもありでしょう。

高橋賢:分野がわからないので，社会科学系での話に限定します。基礎学力という点では，筆記試験に合格できていれば十分かと思います。あとは希望する研究室の教員との協議になると思います。社会人経験を活かした研究をやろうというのであれば，むしろ学部からストレートで修士に入る人よりもアドバンテージがあると思います。これから入ろうとする分野の基礎的な勉強は必要です。