鵜山太智:太陽系の惑星における標準的な形成モデルというのは林忠四郎という京都大学に在籍していらした先生を中心に発展しました。今でも世界的に京都モデルと呼ばれています。ただしこのモデルでも現在の太陽系の惑星について説明しきれない謎が残っているので、日進月歩で惑星形成に関する理論や観測のアップデートが繰り広げられております。
さて、地球の形成過程についてですが、ミクロサイズのダストが衝突合体するところから微惑星->原始惑星と衝突合体を繰り返してサイズが大きくなり、最終的に地球ができたと考えられています。理論モデルでは地球軌道では原始惑星は地球の1/10程度だったと言われているので、10個程度の原始惑星がジャイアントインパクトを起こして地球ができたと考えられていますが、分かる事はここまででして、実際の数をピタリと当てることはできません。そのため、地球の形成前にあったであろうそれぞれの原始惑星に名前はつけられておりません。
※月の形成に関連したとされる仮想的な原始惑星はテイア(Theia)又はオルフェウス(Orpheus)と呼ばれることがあります。