素朴で重要な疑問だと思います。技術的な難しさに触れず物理的面だけを考えて答えてみます。

まず黒い方について、黒い物質はどの色の光もまんべんなく吸収するから黒く見えています。専門的に言えば連続的な波長のどれも均等に吸収するためです。物質の多くは光を吸収する性質は持っていますが、どの波長も均等にという点の実現がまずはじめの難しさだと思います。物質が光を吸収する際には物質中の電子が光のエネルギーを受け取りますが、このとき受け取れるのは分子原子レベルで決まったある特定のエネルギーのみです。光の色(波長)はエネルギーで決まっているので、それぞれの物質は特定の色の光のみを吸収します。だからほとんどの物質は色がついてみるのです。黒いためには電子がどのエネルギーも受け取れることが必要ですが、このためには特別な物質設計が必要です。さらに、2つめとして、光を効率よく(たくさん)吸収しなければなりません。これは物質の構造を工夫して実現可能のようです。ただし現実には、ある波長はほんの少し吸収しにくいとか、少しは光が漏れ出てしまうとか、これらの条件を完璧に満たすことは難しい(というか不可能)でしょう。人の目でみて真っ黒なら十分など、用途に応じた性能で妥協する必要があります。

レーダーは光と同じ電磁波である電波をつかっていますが、レーダーに見つかりにくいステルスとよばれる戦闘機などは電波に対して「黒い」から見えないわけです。電波に対して「黒く」するのは構造の工夫で反射を抑えて実現しているのだと理解しています。

白い方は逆に全ての光をまんべんなく反射することが必要です。しかし金属や鏡のようにきれいに反射してしまうと白く見えませんから、乱反射するための工夫が必要です。黒い方と違ってこちらは物質設計まで考える必要はありませんが、(大抵の物質はなんらかの光を吸収し色を持つので)なにか不純物がつくと白さが損なわれるため、汚れを一切つけない清浄な表面が必要です。現実的にはここが難しいのかと思いますが、原理的な困難はないように思います。

(簡単に答えてみようと思いましたが、ちょっとまどろっこしくなったかもしれません。)

黒い方から妄想すると、もしすべての光を吸収して利用できる真っ黒な生物がいれば緑色の植物よりももっと太陽エネルギーを有効活用できて有利なはずですが、こういう進化がなかったということは、黒い物質は自然界にとって難しい(かメリットがない)ということなんでしょうね。

2023/03/16Posted
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