川原繁人:よく学生に教えるコツがあります。それは「まず、結論から読むこと」です。なぜかというと、論文を書く側も学者とは言え人間ですから、考えが完全にまとまってから論文を書くことはまれで、書きながら自分の考えがまとまる、ということはよくあることなのです。ですから、最後の書く結論というのは読みやすい場合が多いです。要旨も最後のほうに書くので、読みやすいです。逆に序論はごちゃごちゃしてしまっている場合も少なくありません。
ですから、私は要旨と結論を読んで、本当に自分が読みたい論文か決定します。そのあと、図や表を見て、どのように議論が展開されていくかを自分なりに予想します。そうしたら、あとは、自分の予想が正しかったかどうかの確認作業です。
ビジネス書はあまり読まないのでわかりませんが、たぶんこういう流儀は通用しないかもしれませんね。