蒔田純:学校のクラス運営は、教員の視点から見ると、いかに生徒一人ひとり、そしてクラス全体を良い方向にもっていくかという、生徒・クラスに対する教員のリーダーシップの問題と捉えることができると思います。 経営学・社会学における代表的なリーダーシップ理論に「PM理論」があります。これは、リーダーシップはP機能（Performance Function: 目標達成機能）とM機能（Maintenance Function: 集団維持機能）の二つの機能によって構成されるというものです。教員の場合、P機能が強い＝生徒を厳しく管理することに重点を置き、規律や協調性を重視することを意味します。これは、集団としての統率はとれますが、一方で生徒の満足度に差が出やすく、逸脱行動が起きやすいという面もあります。これに対して、M機能が強い＝生徒一人ひとりに対して穏やかに接し、自主性や個別の事情を重視することを意味します。これは、何でも言いやすい自由な雰囲気が生まれますが、一方で秩序が乱れ全体として荒れやすいといった面もあります。 質問内容から推察するに、質問された方はM機能が強いタイプのように思われますので、ご自身の学級経営の特徴を認識し、どこが弱くどこを強化する必要があるのかを客観的に見直してみると良いのではないでしょうか。