田口善弘@中央大学:よくあるというか普通のことだと思います。いまはすっかり深層学習一色になってしまった機械学習分野ですが、そうなる前は多彩な方法が使われていました。例えば、モンテカルロヘイスティングと呼ばれる方法はベイズ推定において解析的に計算できない場合にサンプリングを用いて確率を推定する有力な方法ですが、元々は物理学者が熱平衡系の統計力学に於いて平均値を効率よく求めるために考案した数値計算手法で統計力学や物性物理学の分野で標準的な計算機手法として極めて広範に使われていました。モンテカルロヘイスティングはそのパクリみたいな方法で違いは、物理学においては確率分布がモデルから厳密に定義されているのに対して、モンテカルロヘイスティングに於いては人間が仮定した勝手な分布だということだけです。ベイズ推定自身、元々勝手な確率分布を仮定して推定を行う方法なのでモンテカルロヘイスティングで確率分が人間が決めた適当な物でも全然問題ないのでその部分だけ置き換えてそのまま機械学習の方法として広く使われるようになりました。