Hayato Shimabukuro(島袋隼士):流体力学、大学生の時に授業を取りました。水の流れ、空気の流れ、世の中には色々な流れが存在するので、流体力学が色々な分野で役に立つ事は想像に容易いと思いますし、おそらく他の方が流体力学の有用性について語ってくれると思うので、私は少し別の視点から流体力学のう有用性についてお話したいと思います。
私の専門は天文学です。天文学では星や銀河、さらには宇宙そのものを対象として取り扱います。さて、そんな天文学でも流体力学は必要不可欠なツールとなります。これは少し考えてみれば当然で、例えば太陽のように輝く恒星はガスで出来ているため、その力学的性質を考えるためには流体力学が必要です。さらに、太陽は強い磁場を持っており、磁場が運動すると電流が発生するため、流体力学の中でも特に電磁流体力学という電磁気学+流体力学を併せた方法を考えなければなりません。
恒星の話から離れて、もっとスケールのでかい話をすると、宇宙そのものの構造形成も流体力学を使って考える必要があります。ガスから星が作られ、さらには星がたくさんあつまった銀河が作られます。星や銀河はダークマターという未知の物質が作る構造体であるダークマターハローの中で作られますが、このとき、ダークマターハローの形成を考える時にも流体力学が必要ですし、星の形成においても重力とガスの釣り合いを考える必要があるので、やはり流体力学的な考え方が必要となります。
以上より、宇宙について考える際にも流体力学は必要不可欠な知識ということが分かっていただけるかと思います。