熊崎 宏樹:懸念は正しいです。データプロダクトとはデータの提供自体がそのコスト以上の価値をもたらしていると認められて初めて成立する物であり、逆に言うとコストに見合わないと判断したらサポートを終了することと表裏一体です。 また、サポートを終了しなくても単純にメンテナンス不足でデータにアクセス出来なかったり壊れていたりする事もあります。クラウドの時代ですのでAmazon S3のような強固なストレージに置いて管理する事は必須と言えます。当然ですが所有権やアクセス管理なども適切に行う必要があります。 データへの依存関係がプロダクトの存続にクリティカルに関わる事は珍しくないのでデータにアクセス可能であることは継続的に監視し続ける必要がありますし、メトリクスに変化があれば早期に気づく必要があります。これはデータプロダクトを提供する側ももちろん行いますが、利用する側も自分に必要な観点でのデータの監視を行うべきです。継続テストなどを用いてシステム障害に繋がりそうなプロダクト変更には目を光らせなくてはなりません。データ提供側のスキーマ変更のテストが利用者全部のコード側でも自動的に実行されて欲しい場合モノレポのようなシステムは有利に働きます。 データプロダクトでのサポート終了はまさに茨の道です。利用者のプロダクトが突然致命的なシステム障害に見舞われて良いわけはないので、社内で様々な利用者がいるデータはそのそれぞれの利用者に向けてアナウンスを行い、代替手段への誘導や依存関係の切り離しやその評価実験などを適宜行います。時にはPMなどのレベルの人たち同士で調整することもありますし、サービス終了がどうしても受け入れられないならプロダクトのメンテの責任ごと引き渡すなんて事もあるかも知れません。ですので本当に大変です…。