澤博:「研究」というのは不連続な事象を含んでいます。これはSerendipityとかBreakthroughと呼ばれます。日本人的には、日々の努力や研鑽を積むことでこれらを得ることができるといった訓示のような扱いが好まれますが、実際には全くもってそんなことはありません。ただし、画期的な発見をしたとしてもこれを支持してバックアップしてくれる人々がいなければ、結局は日の目を見ることがないというのも真実ではあります。実際に、新発見を行ったとしても非常に長い時間認識されず発見者の死後に改めて発掘されて世界中で研究されるといったこともあります。 最後の質問は全く異なる視点であって、解析が正しいかどうかは多角的な検証によってなされるというのが回答です。さらには、解析した結果の先に新しい物理や科学が拓けることが評価に繋がるので、必然的に正しいという基準は時間を経るごとに厳しくなっていくことになります。よく例に上がるように、古典物理学が破綻をきたすような条件において、相対性理論や量子力学などの現代物理学が発展してきていることからも理解できるでしょう。