川原繁人:始めからオリジナリティ溢れる研究テーマを見つけるなどできるはずがありません。多くの研究は模倣から始まります。
私が大学院生の時にとっていた方策は、まず憧れの先生の論文をじっくり読み込んで、まったく同じことを別のデータでできないかを考えてみました。そうして生まれた研究は、その先生の研究の後追いではあるのですが、全く同じ結果が出れば、それはそれで追試という意義が生まれますし、多くの場合、ちょっとした違いを発見できたりします。そのちょっとした違いが何を意味しているのか……じっくり考えていくと案外、それがオリジナルな研究になったりするものです。
あとは、他のコメントでも書きましたが、とにかく対話することが大事だと思います。同分野の学生同士でのんびりおしゃべりをしているうちに大事な研究テーマが浮かびあがってくることはよくあります。「研究テーマを見つけてやる!!」とあまり気を張らず楽しい話をしているうちに、研究の突破口が開けていくこともけっこうあると思います。