Hayato Shimabukuro(島袋隼士):太陽が突然、跡形もなく消える。多くの人は1度は想像したことがあるのではないでしょうか?突然、爆発する?あるいは手品の様に一瞬で消える?他にも色々な消え方があるかもしれません。さて、いずれの場合に共通していることがあります。それは、今、まさにこの瞬間に何らかの形で太陽が消えたとしても、それを我々が知るのは約8分後ということです。
この宇宙で情報伝達の手段として最も早いのは「光」です。光は秒速30万kmで、1秒間に地球を7周半もできます。しかし、そんな光でも地球から約1億5000万km離れた太陽から情報を伝達するには約8分かかるので、太陽が突然消えてしまって、真っ暗になったとしても、それは実際に太陽が消えてから約8分後に地球も暗くなります。
あるいは、突然の大爆発によってもしかしたら重力波が発生するかもしれません。しかし、重力波の伝わる速さも光速度に等しいので、やはり、光の場合と同様、重力波の伝搬には約8分かかります。
ちなみに、星の大爆発として有名なものに超新星爆発がありますが、超新星爆発の際にも重力波は発生すると考えられています。しかし、超新星爆発による重力波は、ブラックホールの合体の際に放出される重力波と比べると弱すぎるため、その検出は困難とされており、将来の課題となっています。ちなみに超新星爆発を起こすには、星の質量がある程度大きくないといけないため(太陽質量の8倍程度以上)、太陽が超新星爆発を起こさないと考えられています。