伊藤隆太:貴重なご質問を頂き、誠にありがとうございます。広島大学の伊藤隆太です。生存本能と俗に言われているものに関しましては、基本的にチャールズ・ダーウィンの自然淘汰理論(natural
selection
theory)により理解するのが妥当です。生物のもつ機能の複雑性を説明できる理論は、ダーウィンの提起した自然淘汰理論(およびそれに由来する諸理論)に他ならないと考えられています。自然淘汰による進化の論理とは、生物には個体差があり(変異)、その個体差は親から子に伝わり(遺伝)、生物は、生存可能な数よりも多くの子供を産むため、個体間で生存と繁殖をめぐる競争が生じ、結果として、生存と繁殖の能力に優れた個体の子孫が集団間で広まる(適応)というものです。我々が進化の過程と呼ぶものを簡潔にまとめたものが、上記となります。また何かご質問があれば、お気軽に賜れれば幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
参考文献
Charles Darwin, The Origin of the Species and the Descent of Man (New York: The
Modern Library, 1871/1977).